遺伝子検査のジェネシスヘルスケア株式会社

日本人類遺伝学会第62回大会において唾液検体での家族性乳がん・卵巣がんのBRCA1/2遺伝子検査方法について発表いたしました。

2017年11月21日
ジェネシスヘルスケア株式会社

当社は、唾液検体を用いた家族性乳がん・卵巣がん(BRCA1/2)遺伝子検査において血液検体と同様の結果を得ることを確認できましたことを発表いたしました。

発表演題

登録番号:10070
演題名(日):日本人被験者による唾液検体を用いたBRCA1/2遺伝子検査法の技術検証
演題名(英):Validation of a reliable method for the detection of hereditary BRCA1 and BRCA2 mutation by NGS using saliva specimen

家族性乳がん・卵巣がんBRCA1/2の遺伝子検査において、唾液による遺伝子検体での検査が可能になります。

当社は設立当初より、疾患に関する幅広い遺伝子検査の研究開発に取り組んでまいりました。このたびナグモクリニック、医療法人社団創世会の協力のもと、事前に陽性であることがわかっている被験者を含む12名の被験者の血液検体および唾液検体由来DNAの解析から得られたBRCA1/2遺伝子検査データの比較検証を行いました。

背景として

乳がんは日本人女性の※11人に1人が罹患すると報告されており、近年、増加傾向にある疾患である乳がんの発症要因は様々であります。そのうちの5~10%程度が家族性乳がんという遺伝性疾患に起因すると考えられており、その原因遺伝子としてはBRCA1/2遺伝子が主であります。
※国立がん研究センター調べ

BRCA1/2遺伝子はがん抑制遺伝子の1つであり、それぞれ17番染色体と13番染色体に位置しており、どちらか一方の遺伝子に変異が存在すると、乳がんおよび卵巣がんの発症リスクが上昇します。そのためBRCA1/2遺伝子に変異があるかどうかを調べることは、家族性乳がんの予防と対策に重要です。BRCA1/2遺伝子はそれぞれの遺伝子が80kb以上の領域に渡ってコードされており、その広大な領域からたった一塩基の変異を検出するためには、高い処理能力を持った高精度な遺伝子検査手法の確立が必要です。遺伝子検査を行うためのDNA採取方法として、採血により血液検体を採取する方法と唾液検体を採取する2つの方法があります。
上記2つの方法にはそれぞれメリット・デメリットがありますが、民間向け遺伝子検査サービスでは、唾液検体からDNAを抽出する方法が普及しております。唾液検体は、検体の採取が容易で、採取を行う場所に制限もなく、被験者への身体的負担も少ない優れた採取方法です。

一方で、唾液検体には口腔内細菌が混入するため、抽出されたDNAにも口腔内細菌由来のDNAが混入してしまうという問題があります。BRCA1/2遺伝子検査のような、大規模で、一塩基の読み違いも許容されない正確性が要求される遺伝子検査においては、唾液検体の使用が妥当かどうか、科学的に慎重に判断する必要があります。そこで我々は、次世代シークエンサーを用いたBRCA1/2遺伝子検査に唾液から抽出されたDNAを用いた場合、口腔内細菌由来DNAの混入が、DNAの品質、解析データおよび遺伝子検査結果に与える影響について比較検証を行うことにしました。

検査事例

■例【陽性血液検体と陽性唾液検体の変異部位の比較】

結論として


陽性であることが分かっている同一人物の血液と唾液検体からDNAを精製し、BRCA1/2遺伝子を含むがんに関連する遺伝子のシーケンス解析を行いました。その結果、検出したSNPなどの変異と違いはなく、唾液検体でも血液検体と同様の結果を得ることができました。 このことから、当社は、唾液検体を用いた家族性乳がん・卵巣がん(BRCA1/2)遺伝子検査の普及を行うともに、医療分野においてチャレンジして参ります。

以上

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